2006/05/16

パキシルの功罪

 パキシルを服用している若年層の自殺率が高いと報道されていました。私はパキシルを服用することにより健康な人に近い生活を送られるようになりましたが、服用当初は感情が突然回復してきたのに戸惑いました。感情が鬱状態の中で冬眠していたのが、いきなり目覚てきたからです。寝たり起きたりの生活から規則正しい生活が送られるようになってきたからです。感情、体力が回復してきてもそれをコントロールする能力が長い鬱状態の生活の中で失われていたからだと思います。
 発病から30年間、私の時間は停止していました。パキシルを服用し始めた時の私は30年前の私よりもむしろ退化していたのでしょう。パキシルを服用し始めて精神が30年間の空白を埋めようと猛烈に活動し始めたのです。この時期には心身のバランスが崩れました。30年間経験しなかった正常な感覚が戻ってきたからです、今から振り返ると非常に危険な状況に陥っていたのかも知れません。
 私にとってパキシルは心身を健康な人間に近い状態に活性化させる力がありました。パキシルには同じSSRIのルボックスでは見られない顕著な効果がありました。効果が顕著であるだけに、精神力が未発達な人には使いこなせないかも知れません。結果として、自分をコントロールする力のない人間に自殺を実行できるだけの力を与えてしまったのかも知れません。