2006/06/27

健康弱者への配慮を忘れるな

 私は精神障害2級で障害年金を受給しています。非課税所帯の扶養家族ですが、現在医療費は精神科が月2000円位、内科がインシュリン療法を受けているので月20000円位かかります。障害年金を受給していなければ、生活保護を受けるしかありません。
 内科は精神病に関係ないので公費負担の範囲外です。障害年金を受給していなければ、月々20000円を越す医療費を払うことはできず、生活保護の申請をしなければ生活を維持していくことはできません。平均的なサラリーマン所帯でも、かなり重い負担だろうと思います。
 病気は、収入の多寡を選んではくれません。むしろ、貧しい人の方が病気になる確率が高いように思えます。もちろん生活習慣病は自己責任の面もありますが、発病した人に対しては生活が破綻しない範囲での負担を求めるべきでしょう。
 ある低所得の人が高額医療(抗ガン剤治療)を受けることができず、生活保護を受けている人(医療費の自己負担はなし)が最新の医療を受ることができるという不平等が医療の現場で起きていると訴えていました。
 国民皆保険は日本が世界に誇りうる制度です。社会的地位により、受けることのできる医療に差ができるのは、国民皆保険の精神からしても大きな誤りです。
 私たちの側にも、医療費を増大させた責任があります。不必要な医者通い、過剰な治療を求める、不適切な入院等、個人の責任に帰するべき要因もありますが、赤ひげ先生が必要とされる社会は、21世紀の日本に相応しい社会だと思えません。
 病院や施設側にも、従来の政府におんぶにだっこの時代に安住しすぎた面もあると思います。経営者側の経営努力,自助努力が不可欠ですし、そこに働く人々の意識改革も必要ですが、制度としても健康弱者を救済する仕組みを創設する必要があります。