2006/07/11

医療機関もリストラし、近代経営に励め

 保険制度にも大きな問題がありますが、病院側もさらなるリストラをし、近代経営に励む必要があります。
 例えば、電子カルテを導入し、レセプトの審査もIT化すべきです。産経新聞によるとレセプト1枚につき十円単位のコストがかかっているのが、円単位になるそうです。
 現在の仕組みでは、電子カルテを導入している病院でも、レセプトを手書きで書き直しているそうですが、このようなことが通用する世界を理解することはできません。
 電子カルテを導入している病院では、診察が終わればカルテは事務室に、処方箋は薬局にオンラインで届きます。治療費を払っている間にも薬局で調剤されており、受付から1時間ぐらいで薬を手にすることができます。
 一方、従来の病院では、診察が済んでからカルテが事務室に運ばれ、事務室でカルテの内容がパソコンに打ち込まれます。それから受付で治療費が請求され、支払いを済ませてから処方箋をもらいます。薬局に処方箋を出してから、調剤が終わり、支払いが済むまでにも時間がかかります。半日がつぶれる覚悟をしなければ病院に行けません。
 おそらく仕事を持つ人は、医療費が2割から3割になることよりも、1時間で薬がもらえるシステムの方を支持するでしょう。仕事をしている人にとって1時間は何とかやりくりできる時間ですが、半日の休暇を取らなくてはならないとすれば、病院に行かず、売薬で済まそうとするでしょう。
 売薬でどうしようもなくなってから、初めて病院に出かけていく人が多いのではないかと思います。病気にとって初期治療が有効なのは誰にも分かっていることですが、病院に行く時間が取れないのです。
 なぜ日本の医療が、患者の方を見ていないのかと言えば、病院から「患者の病気を診てあげる」と言う傲慢な姿勢がなくならないからです。他のサービス業から見れば、病院はお客をわざわざ来させないようにしているとしか思えないでしょう。
 一事が万事です。病院からはサービス業としての謙虚な姿勢を感じられません。サービス業ならば、先ず利用者を待たせる時間を如何に少なくするなくするかを工夫するでしょう。平気で利用者を待たせるのは役所と病院ぐらいです。
 患者は先生や看護婦さんの待遇を良くするのは賛成ですが、医療費として支払われたお金がどこかに消えていくのが我慢できないのです。
 医療費を払うのは患者であることを理解していない医療機関があまりにも多いので、患者から不満が出るのです。
 殿様商法をしている医療機関は淘汰されるべきです。近代経営ができない病院は患者から見捨て去られ、破綻する時代に来ていることを医療機関も肝に銘じるべきでしょう。