2006/06/27

2.26事件に散った若い魂

 私なりに2.26事件を調べてみました。一言で言えば、軍中枢部を占めるエリート軍人に対する現場で働く若い将校、隊付将校の反乱ですが、背後には軍部よりのマスコミが世論を操作した気配があります。
 若い将校は疲弊した農村や都市部から徴兵されて来た兵士と寝食を共にしました。彼らには社会の底辺で生活している庶民と共感する想いあったのでしょう。彼らは日本に第二の維新、昭和維新が必要だと純粋に思い込んでいました。
 彼らに君側の奸を取り除くように扇動した黒幕がいたのではないかと思われますが、彼らのクーデター計画は幼稚なものでした。宮城を占拠すれば、昭和天皇の叡断により、昭和維新が成功すると信じ込んでいました。彼らは結果として軍部の前に立ちはだかっていた元老の力を削ぎ、統制派(エリート軍人)の粛軍に協力し、皇道派が軍から一掃されました。
 軍部の台頭には、マスコミの意図的な世論操作が、大きな役割を果たしました。マスコミが社会の警鐘の役割を放棄し、権力に迎合すれば、全体主義国家(ナチス・ドイツ、ファシスト・イタリア)が出来上がってしまうのです。結局、軍部による報道管制を許したのは、マスコミ自身がマスメディアとしての使命を自ら放棄した結果です。
 日本丸はバブル崩壊で、沈没しかかりましたが、小泉船長が自力航海ができるまでこぎ着けました。小泉首相のワンフレーズ政治は、政治の世界をお茶の間に持ち込み、既成の政治家と官僚の談合で動いていた日本の政治システムに風穴を開けましたが、大きな傷跡も残しました。
 小泉首相はマスコミを活用した日本で最初の政治家ですが、彼の求心力の源は世論の圧倒的な支持でした。彼の後継者を決まるのも世論次第です。談合で決めるのは世論が許さないでしょう。従来は世論をマスコミが誘導してきましたが、これからは国民一人一人が首相を決める時代です。
 私たちにはブログという武器があります。ブログの世界では、既成のマスメディアとは質的に違った世論形成が可能であると思います。おそらくブログの世界での人気投票が、総裁選挙を大きく左右するでしょう。明日の日本のために、ブログの世界でできることが、たくさんあるはずです。