2006/05/08

薬と病気

薬と病気 (02/01/30)

 精神病の薬物療法が始まって、まだ半世紀も経っていません。薬物療法が始まり、精神病は病気として初めて扱われるようになりました。しかし、私が初めて入院した30年前は薬はあまり効かず、ただ入院させておくのが精神科の治療の中心であったようです。
 私にとって薬物療法はあくまで対症療法でした。心身ともに疲れ果てて点滴を打ってもらうのが日常でした。お疲れ入院といって、短期間の入院を年に何回もしていたときもあります。いずれにしろ病気に的確に効く薬はありませんでした。それがSSRIという薬で健康を取り戻すことができました。普通の人に近い生活を送ることができるようになったのです。
 精神病者は、人間的に劣った者と世間では見なされています。それが薬で回復したのです。精神病者は、生まれながらに人格が損なわれている者ではなかったのです。薬で治るということは、脳内の物質代謝に異常があったからです。異常があれば薬で治せば良いのです。 (西風の会  堀 俊明)