2006/05/08

刑法改正に思う

刑法改正に思う (02/02/28) 

 精神障害者の措置入院は、私が長期入院をしていた精神衛生法時代は無期懲役刑に等しい待遇であったと思います。大きな精神病院には措置入院されたものだけの特別な病棟がありました。措置入院されたものは長期間社会から隔離されました。当時は精神病で入院した私にすら治療というものがなされませんでした。
 しかし、精神保健福祉法に変わり医療現場は確かに変わってきました。入院主体の医療から外来主体の医療に変わってきました。詫間容疑者のように措置入院させられたものもわずか1ヶ月ばかりで退院出来るのが現在の医療です。
 そこで新しい問題が起こりました。精神障害者ならなにをしても短い入院期間ですまされるという矛盾が起きてきました。そしてそれを悪用するものが出てきました。ここには現在の刑法の抱える矛盾があると思います。
 それは精神障害者が法を犯しても罰せられないと言うことです。これが精神障害者の自立を妨げる大きな障害となります。なぜなら責任能力がないと言うことを認めれば社会の構成員としての人権が否定されるからです。
 私達精神障害者は社会の中で出来るだけ自立していきたいと考えています。そのためには一個の人間として果たすべき義務を果たしたいのです。法を犯したら社会人として刑に服するという当たり前のことがしたいのです。
 このことがなされないと精神障害者は社会の構成員として認知されないと思います。なにをするのか分からない者として差別を受け続けるだろうと考えます。
 具体的な提案としては裁判所の判断で健康な人間なら服さなくてはならない期間を医療刑務所で過ごさすと言うことです。医学的に回復しても残りの刑期を刑務所で過ごさせるという方向で見直して欲しいのです。