2006/07/11

塵肺訴訟、原告を早期に救済せよ

 「トンネル塵肺訴訟」でトンネル工事で塵肺になった元建設作業員と遺族らが、東京地裁に訴え出た賠償訴訟の最大の焦点は、国の行政責任「国が塵肺防止策など規制権限を適正に行使したか」でしたが、原告は全面勝訴の判決を勝ち取りました。
 判決では、「塵肺を防ぐための規制を違法に怠った」国の怠慢を厳しく断罪し、「湿式削岩機と防塵マスクの使用などを法令で義務付けていれば、粉塵の発生、拡大を相当程度防止できた」と国の行政責任を認定しました。
 塵肺は、呼吸困難に陥る深刻な病気です。原告らは、高度成長期やバブル期に全国のトンネル工事現場を渡り歩いて、塵肺になりました。
 原告たちは、日本の高速道路網整備、新幹線や高速道路工事をを支えたいわゆる「トンネル屋」です。彼らは工事現場から工事現場を渡り歩き、劣悪な環境の中でトンネルを掘削したのです。 
 効率最優先の職場で健康は二の次にされました。ゼネコンにとっては彼らは使い捨ての人間穴掘り機でしかありませんでした。変わりはいくらでもいたのです。
 列島改造論で代表される「箱物行政」は日本の景気の牽引車でした。経済が急成長した時代には、日本の血管網にあたる新幹線、高速道路を社会も必要としました。
 東京オリンピックの時に、東海道新幹線が開通しました。東京と大阪も高速道路で結ばれました。日本の都市間の移動時間が急速に短縮しました。 
 バブル期までには日本の都市間の移動時間は、新幹線、高速道路、さらに飛行機を使えば一日以内に短縮しました。
 高速道路網の整備が日本の経済、文化に与えた功績は計り知れませんが、その陰に「トンネル屋」の人たちの血と汗があったことを私たちは忘れ去っていました。
 国は彼らが日本に貢献した経済効果に見合った保障を彼らにすべきです。生命をお金に換えることはできませんが、せめて生活の保障と治療費を国が負担すべきです。
 私たちは日本の現状をもう一度考え治す時が来ているのではないでしょうか。日本は「狭い日本、そんなに急いで何処に行く」と言われるようになりました。日本には新幹線や高速道路はもう必要ないのではないでしょうか。
 1000兆円もの借金を抱えながら、なお新幹線や高速道路を造るのは貪り以外の何物でもありません。次の世代に必要な交通網は既に整備したのですだから、後は維持費を支出する程度で「箱物行政」はもう止めるべきです。
 少子化が社会問題化している時に、次の世代にこれ以上の借金を負わすべきではありません。彼らは私たちの世代の老後を支えるだけでも精一杯だからです。
 生まれてくる子供一人一人が1000万円の借金を生まれながらに背負わされているのですから、子供を簡単に産めないのも当然です。
 国民年金に若者が加入しないのも、日本の未来に希望が持てないからです。天文学的数字に達した借金を抱える国を信用せよという方が無理です。
 「箱物行政」に励む政治家は自分の懐は全く痛まないので、人気取りのために「箱物」を造るのに何の痛痒も感じないのでしょうが、借金を返すのは国民です。
 政治家は国民の痛み、怒りに気づくべきです。家族一人一人に1000万円もの借金があれば、家計を切り詰め借金を先ず返すのが庶民の感覚だからです。

診察 06/07/10

1)ようやく生活がリズムに乗り出しました
2)午前中は新聞購読(朝日、産経)(読売、毎日、日経の社説)をしています
3)午後は読書、最近は興味が小説以外の分野に広がってきています
4)ブログを書く、産経のブログ新聞izaにトラックバックを架けています
5)ようやく追加のハルシオンを飲まずに寝られるようになりました
6)昼寝もできるようになってきました
7)調停を申し立ててから気分が動揺していましたが、落ち着くのに3ヶ月間かかりました
8)現在の状態が続けばよいと思っています

行政の善意は慎重に

 社会保険庁が国民年金の支払い免除申請を違法、不適切に作成した件数は20万件を超えました。社会保険庁は民間から招いた長官が国民年金の徴収率を上げるようにノルマを課したのに対して、分母にあたる支払い免除者数を減らす事により徴収率をかさ上げしようとしました。
 先ず、民間企業ならばノルマを課せられるのは当たり前のことで、それを小手先の書類操作で達成しようとした社会保険庁の職員の行為は、公務員に科せられた職務専念義務違反です。責任者は懲戒処分を受けて当然です。
 国民年金の未払いが社会問題化した時に、大勢の職員が政治家や有名人の個人情報にあたる原簿を不法に閲覧し大量処分がなされたのにも拘わらず、またこのような違反行為が社会保険庁で平然となさたことは、社会保険庁を抜本的に変える必要性が国民の前で明らかにされました。
 社会保険庁の職員は国民年金の徴収率を上げるために本当に努力したのでしょうか、疑問に思えます。小泉改革で長官が民間出身者に変わり、職員の中に組織的なサボタージュをする気配があったようにも報道されています。  
 役人の世界では机の上で書類さえ書いていれば仕事をしたことになり、地道に外回りをして仕事をすることを避ける傾向があります。おそらく、未納者に個別に当たり支払いを督促することしないで徴収率を上げる手段として、違法な手段を考え出したのでしょう。
 報道によれば、本庁から指示が出た可能性が高いようです。組織的なサボタージュ、さらに違法な書類を作成したことで社会保険庁は解体的な出直しを求められますが、身内のかばい合いにより構造改革が頓挫する可能性も想定されます。
 職員は本人にも利益になるのだから、行政の善意で申請したと言い逃れるつもりだったのでしょうが、行政の善意は違法な申請までも合法化するものではありません。さらに個人情報保護法にも明らかに違反している行為です。
 行政の善意は役人の世界では常識でした。またそれが必要な場合も多くあるのもまた事実ですが、個人情報保護法が施行され個人情報に対して国民の目が厳しくなっている現在、役人の世界にも意識改革が必要です。
 障害者自立支援法が施行されましたが、現場では申請書類の山を抱えて安易に申請書が作成されています。例えば私は通帳のコピーを提出させられましたが、これなどは明らかに行政の行き過ぎです。
 しかし、「この子を残して死ねるか」と言っていた精神障害者の親自身が介護保険の対象になる年齢に達したので、行政の善意で書類を作成せざるを得ない現実も考慮しなければなりません。
 行政は個人の基本的人権を保護する方向で、介護保険制度の見直しをしなければならないと思います。先ず、介護保険制度に携わる職員に個人情報を取り扱う者としての自覚を促し、必要な研修を十分に受けさせるべきです。
 介護保険の導入は、行政サイドに十分な準備が整う前に導入されました。介護保険の対象者から見ても、拙速だと言う感じがします。
 突然自己負担が導入され、施設にも利用者にも制度に適応するための準備期間が全くありませんでした。突然自己負担分を請求され戸惑っている人も多くいます。
 障害者自立支援法は3年後に見直されることになっていますが、自己負担が過重になる利用者に対して何らかの軽減措置が執られるべきでしょう。

財政再建を進めよ

 小泉政権最後の「骨太の方針2006」が発表されました。11兆~14兆円の財政削減を目指す意気込みですが、自民党、官僚などの抵抗が激しく、どこまで実現されるかは次期総裁次第だと思われます。
 小泉首相の「財政出動はせず、赤字国債発行枠30兆円」に対し、亀井静香氏は「真水10兆円、事業規模で50兆円、国債を発行し内需を拡大する」と公約し、総裁戦を戦いましたが敗北し、郵政選挙で抵抗勢力は自民党から一掃されました。
 もし、亀井静香氏が勝利していたら、赤字国債発行は100兆円の大台に乗った可能性があります。さらに、民間企業が財政出動に依存する体質から抜けられず、景気が回復しなかった可能性が高かったと思います。歴史に「もし」はないと言われますが、日本は旧ソ連のように破綻していたかも知れません。
 国民は財政支出を伴う「箱物行政」に疲れています。高速道路、新幹線、空港などは狭い日本に十分行き届きました。特殊法人などの不要不急なものに税金をつぎ込むことにも疲れてきました。非効率な役所には怒りを覚えています。
 国民は税金を本当に必要なところに効率よく注ぎ込んで欲しいのです。政府が本当に15兆円近く財政削減をするのなら、消費税を2桁にすることも納得できます。私たちの時代にした借金を次の世代に先送りすることは許されないと感じているからです。
 私は非課税所帯の扶養家族です。収入は障害年金だけです。家内の収入と合わせても、今はやりの言葉で言えば負け組にあたりますが、夫婦で一日1000円あれば十分に満たされた食事を取ることができます。それ以上、何を望むかは人それぞれの生き方の問題ですが、欲求が満たされなければ負け組であると言う考えは、一度否定されたバブル時代の価値観の焼き直しのように思えます。
 私たち夫婦は、生活必需品にかかる消費税が配慮されるのならば、消費税が2桁になっても十分に生活することができます。現在の経済状況が続くように十分に配慮されるのならば、消費税を上げる道が模索されても良いだろうと思います。
 むしろ、与党の参議院選挙対策として財政の規律が失われることに懸念を感じます。滋賀県知事選挙の結果を見れば、市民は「箱物行政」に対し「もったいない」を感じてきているのです。政治家が利権の地元誘導が選挙対策だと思っているのならば、市民感覚から乖離していると考えた方がよいと思います。
 政治家が予算の上積みを要求しているのでしょうが、それを許せば参議院選で与党は大敗するでしょう。小泉首相を圧倒的に支持した人々は自民党こそ抵抗勢力だと見なすからです。
 日本が借金漬けになったのは、官僚、政治家、企業などが国を貪ったからです。しかし、彼らを放任した責任は主権者である国民自身にあるのです。少なくとも私たちの世代には次の世代に財政を健全にしてから委譲する義務があります。
 今からでも遅くはありません。財政再建に自民党が正面切った立ち向かおうとしているのです。前回の総裁選挙の時とは、政治状勢が様変わりしたのです。「骨太の方針2006」は不完全かも知れませんが、政権与党が財政再建に大きく梶を切ったことを評価すべきです。次の総裁次第で「骨太の方針2006」は生きもすれば死にもします。総裁選挙に構造改革を支持する国民の意志を反映させましょう。

北の将軍様に国際社会の中で生き残るように決断させよ

 北朝鮮がテポドン2、ノドン、スカッド、3種類のミサイルを発射しました。具体的に言えば、アメリカ、日本、韓国、さらにロシア、中国を射的距離内に含むミサイルのデモンストレーションを行ったことになります。
 6カ国協議に参加している国々に対するデモンストレーションは大きな賭けです。常識を弁えた人間ならば絶対にしない賭けですが、北の将軍様は賭けに打って出ました。
 北朝鮮包囲網が強化されても、クリントン大統領のようにブッシュ大統領が対話に応じてくると錯覚したのでしょうか、国内事情が何かあるのでしょうか分かりません。
 日本の対北朝鮮強硬論は勢いづくでしょうし、対在日コリアンに対する政治工作、朝鮮総連と民団との和解も水泡に帰しました。
 万景峰92も入港禁止になりましたし、対北朝鮮に対する制裁措置、送金停止などが具体化するでしょう。
 日米同盟がさらに強化され、対北朝鮮軍事包囲網も強化されるでしょう。日本の世論も国土防衛のために自衛隊を強化する方向に動くでしょう。
 一体全体、北朝鮮はミサイル発射で何を得ようとしたのか理解に苦しみます。あるいは内政問題が表面化したのでしょうか。
 いずれにしろ、日本は核兵器の開発を宣言している北朝鮮が、核兵器の運搬手段も手に入れたことを、実感させられました。
 理念としては、非武装中立もあり得るかも知れませんが、国際政治の前では机上の空論であることが、明確に示されました。
 日本は日米安保条約があるから、外国からの侵略を想定していませんでした。旧ソ連を仮想敵国としてきましたが、ソ連崩壊で北の守りも平時に戻りました。
 東西冷戦を前提にしていた国土防衛は、国際情勢でコントロールされない国に対しては全く無力です。
 北朝鮮に合い口を喉に突きつけられたような現状では、冷静な議論がなされず、日本が軍国主義化される危険性を感じます。
 先ず、外交努力を積み重ね、北朝鮮に失う物が如何に多いかを納得させることが重要です。
 アメリカの金融制裁が北朝鮮を疲弊されている現状に、さらに日本、韓国からの援助が絶たれるたら、北朝鮮には中国の属国になるしか生き残る道がないことを、北の将軍様に実感させることが大切です。
 中国の属国になったら、いかなることが起きるかは、朝鮮半島の歴史が示すとおりです。北の将軍様には中国の傀儡になって生き残る道しか残されていません。
 逆に、核開発を諦め、ミサイルの発射実験を止めるならば、リビアのカダフィ大佐のように国際社会の中で生き残る道が残されていることを理解させるべきでしょう。
 いずれにしろ、北の将軍様は最後のカードを切ってしまったのです。中国の属国として生きる残るか、国際社会の一員として生き残るか、彼自身が決断すべき時が来ていることを、日本は彼に理解させなくてはなりません。

終身刑を創設せよ 

 広島市の小学高1年生、木下あいりさんに性的暴行を加え、殺害したペルー国籍、マヌエル・トーレス・ヤギ被告に無期懲役の判決が下されました。
 この裁判に際し、小林さんの父親があいりさんが性的暴行を受けた事実を、実名で公表することを報道機関に要請しました。
 報道機関は児童が性的虐待を受けた事件の詳細な報道を自粛していますが、父親が事実を世間の人に知ってもらい、死刑判決の正当性を理解してもらいたいと訴えたのです。
 さらに今回の裁判を裁判所も裁判員制度のモデルケースと位置づけ、公判前整理手続きを採用し、5日間連続して開廷し証拠調べを終えました。初公判から50日目で判決公判を迎えました。
 裁判の焦点は、ヤギ被告に死刑が言い渡されるか否かにありましたが、両親の期待に反して無期懲役の判決が言い渡されました。
 判決では、ヤギ被告が「悪魔に乗り移られた」と不合理極まりない責任転嫁をしたと断罪されましたが、被害者が1人であったこと、前科がないことを理由にして死刑判決が避けられました。 
 性的暴行は女性にとって命を奪われるようなものだと訴え、あいりは二度殺されたと主張し、死刑を望んだ父親の願いは適いませんでした。 
 今回の裁判では、最高裁の判例で死刑の基準として9項目が示されていますが、下級審が児童に対する性犯罪の対応に戸惑っているのを感じさせられました。
 公判前整理手続きが採用されたので、検察側がヤギ被告が母国ペルーで女児に対する性犯罪で2度告発されているのを立証する時間がありませんでした。控訴審ではさらに審議が尽くされるでしょう。
 無期懲役の判決には、仮釈放を禁じる裁判所の意向も加えられましたが、制度として終身刑のない日本では、ヤギ被告が社会に復帰する可能性が残ります。
 性犯罪は再犯性が高いと言われていますが、精神医学的に見れば精神病の範疇に入る人も多いと思います。
 性犯罪を犯した者に対しては、医療刑務所での治療だけではなく、医療観察法による保護・管理がなされなければならないような時代になってきたのかも知れません。
 少なくとも、殺人を犯した性犯罪者に、社会復帰の道を残す無期懲役刑には、疑問を感じざるを得ません。
 死刑と無期懲役の間に、ヨーロッパのように終身刑を創設する必要があると思います。今回のようなケースのように、死刑が躊躇われるのならば、終身刑を言い渡すべきです。
 裁判員制度が始まれば、裁判官ではない市民が、死刑の是非を判断しなければないケースが出てきます。市民に人の生死を判断させるのは、過重な負担であると思えます。
 終身刑があれば、死刑反対論者も納得することができ、市民も死刑を宣告した重荷を負わなくて済みます。
 死刑判決が増加してきましたが、終身刑があれば、裁判所の裁量の範囲が広がります。
 さらに、無期懲役の者が仮釈放されて、凶悪な犯罪を引き起こすケースも防げるでしょう。

医療機関もリストラし、近代経営に励め

 保険制度にも大きな問題がありますが、病院側もさらなるリストラをし、近代経営に励む必要があります。
 例えば、電子カルテを導入し、レセプトの審査もIT化すべきです。産経新聞によるとレセプト1枚につき十円単位のコストがかかっているのが、円単位になるそうです。
 現在の仕組みでは、電子カルテを導入している病院でも、レセプトを手書きで書き直しているそうですが、このようなことが通用する世界を理解することはできません。
 電子カルテを導入している病院では、診察が終わればカルテは事務室に、処方箋は薬局にオンラインで届きます。治療費を払っている間にも薬局で調剤されており、受付から1時間ぐらいで薬を手にすることができます。
 一方、従来の病院では、診察が済んでからカルテが事務室に運ばれ、事務室でカルテの内容がパソコンに打ち込まれます。それから受付で治療費が請求され、支払いを済ませてから処方箋をもらいます。薬局に処方箋を出してから、調剤が終わり、支払いが済むまでにも時間がかかります。半日がつぶれる覚悟をしなければ病院に行けません。
 おそらく仕事を持つ人は、医療費が2割から3割になることよりも、1時間で薬がもらえるシステムの方を支持するでしょう。仕事をしている人にとって1時間は何とかやりくりできる時間ですが、半日の休暇を取らなくてはならないとすれば、病院に行かず、売薬で済まそうとするでしょう。
 売薬でどうしようもなくなってから、初めて病院に出かけていく人が多いのではないかと思います。病気にとって初期治療が有効なのは誰にも分かっていることですが、病院に行く時間が取れないのです。
 なぜ日本の医療が、患者の方を見ていないのかと言えば、病院から「患者の病気を診てあげる」と言う傲慢な姿勢がなくならないからです。他のサービス業から見れば、病院はお客をわざわざ来させないようにしているとしか思えないでしょう。
 一事が万事です。病院からはサービス業としての謙虚な姿勢を感じられません。サービス業ならば、先ず利用者を待たせる時間を如何に少なくするなくするかを工夫するでしょう。平気で利用者を待たせるのは役所と病院ぐらいです。
 患者は先生や看護婦さんの待遇を良くするのは賛成ですが、医療費として支払われたお金がどこかに消えていくのが我慢できないのです。
 医療費を払うのは患者であることを理解していない医療機関があまりにも多いので、患者から不満が出るのです。
 殿様商法をしている医療機関は淘汰されるべきです。近代経営ができない病院は患者から見捨て去られ、破綻する時代に来ていることを医療機関も肝に銘じるべきでしょう。

お酒を飲む時は代行運転を頼んでからにせよ

 20年前、下司病院に入院していた時代のことですが、アル中仲間の夕方の楽しみは、夕刊に出ている飲酒運転で検挙された人の名前を見ることでした。「あの馬鹿が掴まっている」と嬉しそうに歓声を上げていました。
 アル中の飲み仲間で、飲酒運転で検挙された者は、常識的にアル中と見なされるからでしょうか、仲間を見つけた嬉しさからでしょうか、異様な雰囲気が醸し出されたことを覚えています。
 高知新聞が飲酒運転で検挙された人の名前を公表しなくなったのは、個人情報保護法などとは全く関係もない昔のことです。未だに高知新聞社の真意が分かりかねています。
 高知県では飲酒運転で検挙された者は即懲戒免職と定められたからも、公務員の飲酒運転が続きました。管理職、教員までも年に何回か検挙されています。
 公務員が懲戒免職になれば、先ず普通の職場では雇ってはくれないでしょう。肉体労働をするしかないでしょうから、収入は何分の一かに激減するでしょう。
 退職金、年金を合わせれば、失ったお金は5000万円を超すのではないでしょうか。一方、代行運転を1万円で雇うとすれば、飲酒運転で検挙される確率が1/5000以上ならば元が取れる計算になります。
 もし、人身事故を起こせば、人の生命を傷つけるばかりではなく、刑務所の中の生活を味わわなければなりません。
 こんな馬鹿馬鹿しい賭は子供でもしません。その様な子供でも分かることが分からなくなるのがお酒の世界です。
 お酒を飲むときには、飲み屋に車のキーを預け、代行運転で送り帰してくれるように頼んでからお酒を飲むぐらいの常識を持って欲しいものです。
 自分だけではなく、家族も路頭に迷わすような馬鹿馬鹿しい賭をする愚か者にはならないように自重するべきでしょう。

「箱物行政」から脱却せよ

 滋賀県知事に嘉田由紀子さんが当選しました。知り合いから同窓生ではないかと尋ねられ、四明会(京大農学部同窓会)名簿を調べてみました。彼女は私の一年後輩で、彼女のご主人が一年先輩で母校の教授をしています。
 彼女は団塊世代以後で、私と彼女のご主人とは団塊世代ですが、共に全共闘世代です。私たちは学生時代を無期限バリケードストが決行されていた京大のキャンパスで過ごしたらしいです。
 私たちの世代は荒廃した学園を見限り、地方の研究機関に就職したり、海外へ出て行きました。彼女はアフリカで半年間現地の人と共に生活したそうですが、それが彼女流の「もったいない」運動の原点になっているのでしょう。
 滋賀県は1兆円近い借金があるのにも拘わらず、数百億円をかけて新幹線の駅を誘致しました。京都から滋賀まで新幹線ならば10分しかかからないところに新駅を誘致しても、健在効果はほとんどないと思えます。借金の利子すら賄うことはできないでしょう。琵琶湖に流れ込む川にダムを造っても、どれだけの意味があるのか理解できません。
 滋賀県民は「箱物行政」にノーを突きつけたのです。日本経済は回復してきましたが、国、地方の借金は合わせて1000兆円になろうとしています 。それにも拘わらず、「箱物行政」を変換できない政治家の常識を疑います。
 夕張市は財政破綻し、財政再建団体に指定されましたが、50年間も借金を払い続けなくてはならないそうです。借金を隠し続けた市長や市の職員も職員ならば 、それを放置した議会も議会です。お金を貸し続けた銀行も銀行です。
 年金を担保にお金を借り続ける多重債務者とお金を貸し続ける悪徳金融業者との関係と全く同じ構造ではないでしょうか。
 総選挙で小泉首相が圧勝したのは、既得権擁護を主張する抵抗勢力に対して国民はノーと意思表示をしたからです。「箱物行政」からの転換を国民は求めているのに、政治家がそれを理解し得ないところが、日本の政治の構造的な弱点です。
 自民党と民主党が相乗りしてのにも拘わらず政治に無関係に過ごしてきた1エコロジストに負けたのは、日本の政治家が世論の動きに対して鈍感な徴です。既に構造改革は政治の世界にも及んでいるのを、政治家だけが気づいていないのです。
 高知県、高知市の財政は本当に大丈夫なのでしょうか。隠れ借金はないのでしょうか。一度財政再建団体に指定されたら、リストラの嵐に晒されます。市民サービスも停滞してしまいます。職員の生活水準も著しく落ちてしまうでしょう。
 高知市が建設したカルポートなどは典型的な無駄遣いの例です。100億円の投資に見合う効果があったなどとはとても思えません。新堀川の上に道路を通すのも、100億円の投資に見合う経済効果を得られるとは思えません。
 高知県知事、高知市長も財政に余裕は全くないのですから、市民サービスを優先し、「箱物行政」から手を引いて下さい。その日を生きることすら自由にならない人たちに対して税金を使って下さい。
 老人問題、障害者問題、教育問題、など今手を打たねば手遅れになる問題はいくらでもあります。
 市民が期待する政策の優先順位が従来の政治、行政の常識からずれてきているのを自覚してください。

自民党後継総裁をオープンな場で決めよ

 小泉劇場も撤退命令を自衛隊のイラク派遣部隊に出したところで、幕が下ろされようとしています。小泉首相の5年間を一言で言えば、構造改革と日米同盟といって良いだろうと思います。カーテンコールは日米首脳会談でした。
 ブッシュ大統領は盟友小泉首相を異例の厚遇で迎えました。両首脳は「新世紀の日米同盟」と題した共同文書を発表し、自由や民主主義などの普遍的価値観を共有する国同士として、共通の利益を追求していく姿勢を強く打ち出しました。
 「ジュンイチロー」はイラク戦争で国際的に孤立したブッシュ大統領を救い、アメリカを強力に後押ししました。「ジュンイチロー・ブッシュ」は単に政治的な思惑を越え、個人的な信頼関係で結ばれた盟友でした。
 日本人としては初めて大統領専用機エアーフォース1に大統領と同乗し、プレスリーの記念館を訪ねました。アメリカのマスコミにも派手に取り上げられたそうです。小泉劇場のフィナーレとしては最高の花道でした。
 その陰では、橋本元首相が、静かに息を引き取りました。弟の橋本大二郎高知県知事は、断腸の思いの死と形容した死でした。働き盛りの68歳の死でした。政治家の世界の非情さ、歴史の無情さを感じさせられる死でした。
 政治家には、個人の能力では左右できない世界があるようです。天の時、地の利、人の和、と言いますが、政治家には歴史が与えた使命がそれぞれにあるのでしょう。
 政治家小泉純一郎は奇人と言われながらも、沈没しそうになった日本丸を自力走行できるまでにしました。自民党の派閥政治を公約どおり破壊しました。日本を構造改革の嵐が荒れ狂いました。
 小泉改革は見方を変えれば、無血クーデターとも言えるかも知れません。彼に与えられた歴史的使命は日本の疲労したシステムを破壊するところあったと思います。
 奇人小泉純一郎は権力の頂点で自ら舞台を下りました。構造改革関連法案を成立させただけで、国会を延長しませんでした。衆議院の2/3の議席を得ながらも、伝家の宝刀を抜きませんでした。
 小泉流美学は散り際に美を感じさせる日本人的な感覚です。歴史的使命を果たし、後継総裁に日本を委ねるのが彼流の生き方なのでしょう。
 彼の後継者は、構造改革の嵐が吹き荒れた日本を、立て直さなければなりません。先ず都市計画の青写真を描き、仮設住宅の建設と配置を決めなくてはなりません。
 自民党後継総裁は、国民にオープンな姿で争われなくてはなりません。総裁候補はブロック会議で未来の青写真を国民の前に明らかにしなければなりません。もし、談合で後継総裁を決めたら、自民党は国民の支持を失うでしょう。
 小泉流ワンフレーズ政治は稀代のアジテーター小泉純一郎だからできたのであって、後継総裁は国民に対して丁寧に語りかけなくてはならないでしょう。小泉政治が引き寄せた若者を無視した政治をすれば、日本を停滞させる道に繋がります。
 アメリカの大統領選のように、総裁候補が国民に直接語りかける姿勢を貫けば、国民も自民党が変わったと認めるでしょう。日本の政治の未来が自民党総裁選にかかっています。

北は拉致した人々を解放せよ

 横井めぐみさんの夫であった金英男さんと母親との対面シーンが北朝鮮から流れてきましたが、北朝鮮宣伝映画、脚本、演出 金正日、主演 金英男、主題 「同胞愛と人道主義」のように見えました。
 韓国で北朝鮮に拉致された人は1000人近くいるのではないかと言われていますが、北朝鮮は拉致の事実を認めません。盧武鉉大統領、韓国政府も拉致に対して腰が引けているように思えます。
 日本でも、拉致は公式に認めまられない長い期間がありました。1ジャーナリストの執念と拉致被害者家族の粘り強い闘いが政府を動かしたのです。
 小泉首相が北朝鮮に行き、金正日主席に拉致を認めさせたので、拉致の事実が初めて公式に認められたのです。革新政党の中ではそれでも拉致の事実を認めたがらないところもあったぐらいです。
 日米首脳会談ではブッシュ大統領が北朝鮮の拉致に触れ、小泉首相に言質を与えました。G8外相会談でも拉致がテーマに取り上げられました。おそらくG8でも話題になるでしょう。
 韓国では、親北朝鮮政策を取り続けている盧武鉉大統領は、今回の対面で幕を引こうとしているようですが、韓国の世論がそれで納得するかどうかは分かりません。
 日本においても、在日コリアン団体の民団と総連がトップ会談をして和解を宣言しましたが、北朝鮮のスパイの在日コリアンに対する政治工作ではないかと疑われています。結局、民団の河団長は和解宣言を白紙撤回せざるを得なくなりました。
 北朝鮮はテポドン2の発射準備をすることで瀬戸際外交に打って出ましたが、かつて、民主党の大統領から勝ち取ったような譲歩を、ブッシュ大統領から引き出せれるとは思えません。
 現在の北朝鮮の置かれている状況は、日米開戦前の日本が置かれていた状況に非常に良く似ています。余り北朝鮮を追い込みすぎると、北の将軍様は何をやり出すか分かりません。
 国際的な対北朝鮮包囲網を完成させ、北朝鮮に中国の属国として生き残る道を模索させるのも一つの解決策かも知れません。中国が相手ならば、拉致問題を解決する道も開けるかも知れないからです。

子供の時から想像力を身につけさせよう

 世界第2位の富豪で投資家のウォーレン・バフェット氏が世界第1位の富豪のビル・ゲイツ氏が経営するビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金に約4兆の財産を寄付することにしました。
 バフェット氏は金融投資の世界、M&Aで成功し、資産0から一代で世界2位の富豪になりましたが、生活は質素なものだそうです。
 彼は富める者が子孫に遺産を遺すことに批判的で、ブッシュ政権の相続税軽減政策に反対しています。
 彼は富める者が財産を子孫に残すのは、2006年度のW杯出場者の子供に、20030年のW杯を争うようなものだと批判しています。
 バフェット氏は「税金を払って財務省に任せるより、ビル・ゲイツ夫妻の財団はお金の効用を最大化してくれる。私が投資の能力で他人より優れているように、社会還元ではゲイツ夫妻の財団が優れている」と言っているようです。 
 ビル・ゲイツ氏もウインドウズを開発し世界標準OSソフトにしました。マイクロソフト社の創業者として世界一の金持ちになりましたが、彼の大好物はハンバーグで、ジーパンを愛用しています。
 ビル・ゲイツ氏も第一線から引退することを既に決めているので、 世界1位と2位の富豪、アメリカンドリームの体現者が財産を、社会に還元することに決めたのです。
 西郷隆盛が「児孫のために美田を買わず」と言い残したのは有名な話ですが、彼らが財産を子孫に残すよりも、社会に還元する道を選んだのは意味が違います。
 キリスト教国であるアメリカでは人は神の栄光を地上に現すために働き、死ねば地上で得た物を神の元へ返すのが普通だからです。
 彼らがキリスト者であるかどうかは分かりませんが、地上で得た富を社会に還元するのはアメリカではスマートな生き方とされるのでしょう。
 アメリカでは多くの財団が設立され、富の社会還元の一翼を担っています。慈善事業、教育事業、文化事業などを財団が支えています。社会還元は税制面でも優遇され、社会にもバックアップ体制が整備されています。
 例えば、ハーバード大学を始め私立大学の運営費は寄付で賄われ、税金が運営費の多くを占めている日本の私立大学とは性格を異にしています。
 ホリエモンに代表されるヒルズ族は、お金を貯めることが自己目的化してしまったような気がします。彼らには何のためにお金を貯めるのかが分からなくなっていたのではないでしょうか。
 勝ち組になった彼らには、持ちなれないおもちゃを与えられた子供と同じで、財産を使いこなすための想像力が欠如しているように思えます。
 オウム真理教に走った有名大学出身の科学者にも感じたのですが、想像力の欠如した人間、デジタル思考しかできない人間からは人間としての潤いが感じられません
 現代の知識偏重の教育は子供から想像力を奪ってしまったのではないでしょうか。子供の時から文芸作品に親しませ、幅広い教養を身につけさすことが必要だと思います。

診察 06/06/27

1)夜は眠剤を服用しても眠られず、1時頃にハルシオン1錠を追加服用しています。
2)懸案も解決し、精神的には平静を取り戻しました。
3)読書、新聞、ブログに時間をバランス良く配分できていると思います

 最近ブログを一日一つ書くようにしています。受験生が1600字以内の小論文の訓練をしているようなもので、脳のリハビリ、トレーニングとしては新たな段階に入ったと思っています。
 読書は小説だけでは物足りなくなり、自然科学から、社会科学、人文科学の方面に読書の幅を広げています。週3,4冊のペースで図書館から借りだしています。
 新聞には夕食後の時間を当てており、朝日、産経のインターネット新聞を購読し、熟読しています。読売、毎日、日経の社説等にも毎日、目を通しています。
 ブログは毎日1つを心がけ、1600字見当で書いています。自分史もブログを利用しつつ、少しずつ書きためています。
 ブログを書くにはかなりのエネルギーがいりますが、脳のリハビリとしては楽しみながらできて、形に残るものですから、私に向いていると思います。
 ブログを通して新しい世界が広がり、新たな知り合いもでき、楽しみが増えたような気がしています。